登校渋りにはこんな理由もあるんだって話。我が家の長男の場合・前編

「お母さん・・・長男君、IQがとても高いです。」

2023年3月、長男(当時小1)の児童精神科主治医の言葉。
2学期から登校渋りを繰り返していた長男の発達障害高IQが判明しました。

この記事は決して「うちの子天才!」なんて自慢話でも、安易に「みんな知能検査を受けるべき!」という話でもなければ、IQを高くする方法も一切出てきません

ぐり

むしろそんな方法があるなら私も知りたい

世の中にはこんな風に苦しんでいる子どもたちがいる、ということを知ってほしい。
ただそれだけのために綴る、長い長いひとりごと、その前編です。

学校に行きたくないって泣いた我が家の長男のお話。前編
ぐり

あくまでも参考程度に、我が家の場合ってことで読んでね!

目次

学校生活の始まりと登校渋り

苦しい学校生活

我が家には現在小学2年生と幼稚園年中、2人の男の子がいます。
長男は好奇心旺盛だけど怖がりで慎重派、計算や化学が好きな、家では騒がしいけれど人前では緊張しいな男の子・・・

ぐり

だと思ってた

長男は1歳半検診で発語が少ないことから別室に呼ばれ「お子さんは人より物に興味がありますね」と言われたことがあります。
要経過観察になるも、その2ヵ月ぐらい経つとすごい勢いで発語が増え、あっという間に2語文・3語文までペラペラ喋りだして観察解除になりました。

幼稚園の頃はすぐ教室を抜け出す脱走癖で、補助の先生に捕獲され癇癪を起こしたりしていました。
幼稚園から何度も電話がかかってくるので発達障害を心配していたら、担任の先生には「発達は大丈夫だと思います!」とキッパリ言い切られることもありました。

ぐり

まぁ大丈夫ではなかったんだけれども

母である私は1歳ごろから「他の子とは何か違う」という違和感を感じてはいたものの、誰に相談しても「気にしすぎ」「普通だよ」「男の子はそんなもの」と言われ続けてきました。
夫ですら最初は信じてくれず、年長の頃にようやく他の子と違うかも?と気付いたようです。

ぐり

私の母に至っては、検査結果が出るまで定型児だと信じて疑ってなかった

発達障害についてひたすら検索しては悩む日々。
当てはまる、でも何か違うような・・・?

ぐり

確かに当てはまることも多いけど、微妙な違和感はずっと拭えなかったんだ

そんな長男が小学校に入学してから、様々な問題が発生しました。
その1つが、授業中に立ち歩き、最終的に教室から脱走してしまうこと。

長男のクラスは他にもやんちゃな子が多く、何人もの子どもたちが教室内で立ち歩き大騒ぎ!
我が家の長男も席に座っていられず、毎時間のように数人の男の子と一緒に教室内や廊下を歩き回っていたようです。

ぐり

座っていられないのは「授業がめちゃくちゃつまらない」からだってさ

担任の先生や養護教諭と何度も相談し、対応を考えた1学期。
この頃の長男は学校に行きたくないと言いつつも、何とか毎日登校していました。

夏休みは毎日遊び、宿題もどうにかこなして迎えた新学期。
2学期の滑り出しは順調ですね~なんて担任と話していました。

子どもたちの成長に伴ってクラス全体が少し落ち着いてきたにも関わらず、長男は相変わらず座っていることができませんでした。
立っていることを咎めたクラスのお友だちに対して言い争いから手が出ることもあり、親として悩む日々が再び始まります。

ぐり

相手の子のママさんに電話で謝罪したよ・・・
申し訳ない

私も次男を連れて毎日長男の登校に付き添いました。
学校の玄関まで見送ってから次は幼稚園のバス停までダッシュ!という慌ただしい朝が日課になりました。

この頃に学校内で長男を偶然見かけたママ友から、暗い顔をして話しかけても無反応だったと心配されることもありました。
スクールカウンセラーさんと面談したり、担任とは何度も電話で相談する日々が続きました。

ぐり

学校の敷地に入った段階でこの世の終わりみたいな顔になってた

これってホントに発達障害じゃないの?

スクールカウンセラーさんから「はっきりと発達障害って診断がつくまではいかないと思うけれど、一度札幌市でやっている教育相談へ行ってもいいかもしれない」とのアドバイスをいただき、すぐに予約の電話をしました。
予約が取れたのは、最短で1ヵ月先でした。

でも、ようやく行けた教育相談では「発達検査をしてみてもいいけど、検査は長い時間集中しなくてはならない。今はまだ様子見で、もう少し大きくなって落ち着いてからでもいいと思う」と言われただけ。
生活の注意点や学校を休ませたときの家庭学習のやり方など、もうそんなの実践してるよ!というアドバイスだけもらい、何の進展もないまま面談は終わりました。

ぐり

わざわざ予約して来た割に大したこといないって思われてる感が凄かった・・・

2学期の中頃から登校渋りが本格化し、学校を休むことが多くなります。
担任や教務主任の先生と相談している間にも、授業を抜け出しては保健室で過ごす時間が増えていきました。

授業を抜け出して、ほとんどの時間を保健室や職員室で過ごしている。
3、4年生の算数や漢字のプリントを全問正解して、その場にいた3年生の子に「どうしてわかるの!?」と驚かれたりしている・・・と、担任から報告を受けました。

ぐり

一番びっくりしたのは校長室で校長先生とプリントやってるって聞いたとき

長男は年少さんの頃からこどもちゃれんじを、小学校に入学してからも継続して進研ゼミ小学生講座を受講しています。

ぐり

今も毎月届くのを楽しみにしてる長男。
DVDにもエデュトイにもかなりお世話になりました

チャレンジ小学生講座では少しだけ授業を先取りした学習ができます。
でも、もしかしたら逆に先取り学習することで、学校の授業が簡単すぎてしまうのかも?

ぐり

しっかり予習できるから、理解できてないって心配はしてなかったよ

改めて長男に詳しく聞いてみました。
長男から返ってきた答えは「見たらわかることを時間かけてやる意味が分からない」というもの。

ぐり

だからといって授業抜け出すのはどうなのよ

その頃長男はこういう問題を考えるのが好きでした↓

ぐり

キミは得意かも知れんけど、まだわからない子だっているんだからしゃーない!ってことを言ってみたけど、腑に落ちないご様子・・・

どんどん学校が苦しくなる

そのうちお友だちとケンカして癇癪を起こしたり、水飲み場の水を撒き散らしたりなどの行動も出るように。
ちょっとしたトラブルから泣きわめいて暴れている、図工の時間に筆を洗った水を自分にかけてびしょ濡れになったまま逃げ回っている、などの理由で「お母さん、今すぐ来てください!」と学校からの呼び出し電話が連日かかってくるようになりました。

急いで学校に向かうと、長男は保健室で泣きながら怒っていたり、私や先生から逃げて走り回ったり。
どうして、何故こんなことをするのか全く分からなくて、先生も私たち両親も途方に暮れました。

ぐり

でも、一番困ってたのは本人だったんだよ

次第に長男の顔からは笑顔が消え、家でもイライラすることが増え・・・
夜は毎晩のようにうなされ「足が痛い」「助けて」と泣き叫ぶようになりました。

ぐり

足が痛いのも精神的なものからくる成長痛だったみたい・・・

どこかに相談してもまた同じような結果にしかならないかも・・・と二の足を踏んでいた私たち夫婦でしたが、もう悠長なことを言っている場合じゃない。
児童精神科のある病院や小児の発達クリニックを探しました。

ぐり

この年は家族の命に係わるかもしれない病気も見つかたりもして、ホントにキツかった(現在は寛解)

運良く1ヵ月後に空きのある病院が見つかり、初診は年明けの頃。
更に1ヵ月後、知能検査を受けることになりました。

WISC検査とその結果

WISCとは

長男が受けたのはウェクスラー式知能検査の1つである「WISC(ウィスク)」という検査です。

ぐり

幼児用のWPPSI(ウィプシ)、16歳以上ではWAIS(ワイス)って検査もあるよ!

WISCは発達障害がわかるというものではなく、子どもの得意・不得意なこと、発達のバランスなどを知るための検査です。
発達障害かどうかはWISCの結果もふまえて専門の医師が総合的に判断します。

ぐり

あくまでも判断材料の1つってことらしいよ

日本では現在「WISC-Ⅳ(ウィスクフォー)」が普及していますが、長男が受診した病院では最新の「WISC-Ⅴ(ウィスクファイブ)」を実施していました。
WISC-Ⅴでは総合的な理解能力である「全検査IQ(FSIQ)」と、5つの指標がそれぞれ数値化されます。

WISC-Ⅴでわかるの5つの指標
  • 言語理解指標(VCI)
  • 視空間指標(VSI)
  • 流動性推理指標(FRI)
  • ワーキングメモリ指標(WMI)
  • 処理速度指標(PSI)

全検査IQ5つの指標も全て100が平均になるように作られていて、そこからどれだけ数値が離れているかどうかで得意・不得意などの傾向がわかります。


WISCが受けられるのは専門の医療機関や市町村の教育支援センターなど。
世界で広く使われる信頼性の高い検査で、公認心理師や臨床心理士などの専門家と1対1で行います。

ぐり

主治医からは2時間ぐらいかかる検査だよ~と言われたよ

WISCでわかったこと

長男の全検査IQは、「非常に高い」とされる130を超えていました。

5つの指標も全て100を上回っています。
その中では言語理解指標が他の指標より少しだけ低めで、一番高い流動性推理指標とは30近い開きがありました。

ぐり

言語理解は言葉を使って考えたり説明したりする力、流動性推理は問題に直面した時どう行動したらいいかというアイデアを生み出す力…みたいな感じかな?

長男には発達障害の一つであるADHD(注意欠如・多動性障害)の診断がつきました。
その他、ASD(自閉症スペクトラム障害)の傾向もあるとのこと。

IQが高くかなりの能力を持っているが、数値の高低差が30近くあることによって「高いところでバランスがとれない」でいる。
頭の中では物凄くたくさんのことを考えているけれど、それをうまく言語化してアウトプットするのが苦手で癇癪を起こしたり手が出てしまったりする。

主治医にはそのように言われました。

ぐり

指標間で数値に差があればあるほどバランスが取れずに生きづらいらしい・・・

ギフテッド?2E?なにそれわからん

診断結果を受けて、母である私の頭の中は「?」がいっぱい。
IQ高い?なにそれどういうこと???

予想していたとは言え我が子に発達障害という診断がついてしまったショックと、思ってもみなかった高IQという結果に大混乱。
これは喜んでいいの?それともヤバいの???

ぐり

結果としてはどちらかというとヤバい方だった

検索してみると「ギフテッド」「メンサ会員」などのワードが並びます。
調べれば調べるほど、私の混乱は更に加速することに・・・

ギフテッドとは

学問、芸術、運動能力などにおいて先天的に突出した高い能力を持っている人のこと。
IQだけで測れるものではないとされるが、国によってはIQ120以上、もしくは130以上はギフテッドだと定義している場合もある。

ぐり

当てはまっとるやん・・・


生まれ持った性質であり、早期教育によってギフテッドになれるものではない。
日本では明確な定義が決まっていないが、やはり概ねIQ130を超えているということも1つの基準となるようです。

ただしこれは知能を基準とした場合。
芸術、音楽などの才能を持つギフテッドは知能指数では測れないといわれています。

ぐり

いやいやいやいや!そんなわけないでしょアレでしょギフテッドってもっとこうなんていうか超天才!5歳で量子力学理解!7歳で3ヵ国語マスター☆とかそういうくぁすぇdrftgyふじこlp;@:(混乱)

長男は周囲の大人が高IQに気付くようなエピソードも特になく「賢い部分もあるけれど、とにかく手のかかる子」という認識でした。

「IQが高い」と言っても130の人と180の人では見えている世界が全く違うでしょう。
2歳で掛け算ができたとか、3歳で世界各国の国旗を全て覚えるとか、そういったことは長男よりももっとIQの高い子供たちのお話になるのかも知れません。

ぐり

「今にして思えば・・・」ってこともいくつかあるけど、全然気付かんかった・・・

ギフテッドの中でも発達障害とギフテッドを併せ持った人を「2E(ツーイー)型」と呼ぶこともわかりました。

ギフテッド2E型とは

Twice-Exceptional(2重に特殊な)という意味で、ギフテッドと発達障害両方を併せ持つ人のこと。

ぐり

ん?じゃあ長男はこっちってこと??


ぐり

いやでもIQだけで測れるものではないんなら、ギフテッドなの?そうじゃないの???

そして「メンサ」とは、高い知能を持った人だけが入会できる国際的な団体です。

MENSA(メンサ)とは、1946年にイギリスで創設された、全人口の内上位2%のIQ(知能指数)の持ち主であれば、誰でも入れる国際グループです。 メンサは、世界100ヶ国以上、10万人以上の会員を持つ国際的グループです。 メンサはメンバー同士の知的交流の場を提供します。その活動は、講義、ミーティング、会報、特定の趣味を持つグループ、 地域レベル・国レベル・世界レベルのイベントによる交流を含んでいます。 そして知能に関するプロジェクトでメンサの内部や外部の研究者への協力を行います。

引用:JAPAN MENSA|メンサとは
ぐり

クイズ番組でお馴染み、ロザンの宇治原さんやパックンマックンのパックンさんもメンサ会員だって

メンサの入会条件はIQが全人口の内上位2%、つまり130を超えていること
(※15歳以上は入会テストを受けて合格すれば入れます。ここでは詳細は割愛)

ぐり

入れちゃうやん・・・
(結局入ってないけど)

どうやらメンサには入会できるらしい。
で、結局我が子はギフテッド2E?それとも高IQの発達障害?

ぐり

どっちなん!だいっっっ!!?
(怒りの筋肉ルーレット)

結論から言うと、私は長男のことを説明するときに「ギフテッド2E」という言葉は使っていません。
理由はいくつかありますが、長男に対してその言葉を使うことに疑問を感じるからです。

ぐり

使いたい人は使えばいいと思うけど、自分の息子には疑問が残る・・・というところ

長男のことで色々と調べていくうちに、私の思い描いていた「ギフテッド」という概念が根本から覆ることになりました。

そして、IQが高ければ高いほどいいという単純なお話ではなかったのです。

ぐり

後編に続くよ!

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