登校渋りにはこんな理由もあるんだって話。我が家の長男の場合・後編

学校生活に苦しみ、登校渋りから学校を休みがちになった我が家の長男。
検査の結果、発達障害高IQが判明しました。

検索すると出てくるのは「ギフテッド」「2E」という言葉・・・
「発達障害」という検索ワードだけでは足りなかった答えが、そこにありました。

長男と私たち家族のお話、その後編です。

学校に行きたくないって泣いた我が家の長男のお話。後編
ぐり

発達の専門家じゃなく、あくまでも素人目線のお話として参考程度に読んでみてね!

前編はコチラ↓↓

目次

IQは高ければ高いほうがいい?そんなことはなかった

ギフテッドや高IQについて何も知らなかった私は「IQが高い=賢くてしっかりしていて、出木杉君みたいな子」だと思っていました。

ぐり

「東大王」に出てくる人とか

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金田一少年はIQ180とかだった気がする。
かのアインシュタインは推定160~190だそうな・・・

ぐり

えっ金田一凄すぎん?
フィクションだけども


私は現在も長男のことを説明するとき「ギフテッド2Eです」とは言っていません。
ギフテッドという存在の持つ世間のイメージが長男とはあまりにもかけ離れていること、そして何よりギフテッドの定義がハッキリしていない以上はそう名乗れるかどうかがわからないからというのが大きな理由です。

ぐり

数値で線引きできるもの??
結局ギフテッドって何よ???

どっちなのか知らんけど当てはまってることも多いから参考にさせてもらお!ぐらいの軽めのスタンスで、ギフテッド関連のサイトや書籍を読んだりする程度に活用させてもらっています。

OE

関連書籍などを読むと長男に当てはまってるな~と思えることの1つが「OE」と呼ばれるものです。
OE(Overexcitability)は過興奮性過度激動という意味だそう。

精神運動性・感覚性・知性・想像性・感情性という5つの分野の刺激に対して、人より「過度に」反応してしまう
ギフテッド傾向を持つ人の特徴の1つらしいのです。

ぐり

それはもう激しく過度に・・・

例えば長男の場合、興味がないことには全く集中できず見向きもせず、ひたすらに知的好奇心を満たしてくれる刺激を求めてしまう。
皮膚への刺激に対して敏感で、靴下の縫い目が気になりせっかく買ったのに履けない、パーカーやコートのファスナーを首元まで閉められない・・・なんてことも。

ぐり

真冬の北海道で首元開けてるとか体感温度センサーどうなってんの

食感や味覚が過敏なため、ほとんどの野菜が食べられないという偏食もそう。
正義感の強さからルールは守るべき!と頑なになってしまい、守れないお友だちが許せなくてケンカになってしまったりもします。

ぐり

人には厳しいくせに自分も学校のルールを守れず、それを指摘されて癇癪を起こすこともあったよ・・・

起きた瞬間から寝る直前まで脳がフル活動しているようで、布団の中で難しい話をしたと思うとその5秒後にはもう寝ています。
そのせいか疲れやすく、休日は家で休みたがることも多々。

ぐり

単純に疲れてるからっていうのも学校に行きたくなくなる大きな理由の一つみたい

楽しむことに関してもそれは一緒で、思いっきり楽しんだ後はグッタリして動く気力も体力もゼロ・・・なんてこともあります。

長男を見ていると確かに「脳の機能が高い」んだなというのがよくわかります。(決して優秀だという意味ではなく)
高いがゆえに様々なことを強く感知してしまい、激しい反応を示してしまう

インプット、アウトプットどちらもがとても激しく、それは時に生活を困難にする程のものです。
周囲からはただのわがままとも取れる行動も、長男にとっては「脳がそう反応してしまう」のではないかと思います。

学校生活では、その過剰なまでの反応に振り回される場面が多くあるでしょう。
本人の意思とは関係なく脳が反応してしまうことを無理矢理抑えつけるのは、今の長男にはまだまだ難しい。

「OEがあることこそがギフテッドの証明!OEないならギフテッドではない!」と書いているブログもあれば、逆に「全てのギフテッドの子どもにOEがあるとは限らない」と書いてあるサイトもあるのがまたややこしいところです。

ぐり

だからどっちなんだいッッ!!!
(怒りの筋肉ルーレット再び)

非同期発達

更にギフテッドの子どもにみられる特徴の一つとして、非同期発達というものがあるそうです。

多くの子どもたちは言語能力、数学的思考、運動能力や精神面など、同期的に(全ての面が全体的にバランスよく)成長していきます。
ところがギフテッドの子どもたちの中には「言語能力だけ」「運動神経だけ」というように、ある一部の能力だけが突出して成長するという場合が多くあるというのです。

物凄い知識豊富で大人顔負けの話し方をするのに、ちょっとしたことで癇癪を起こしたりするアンバランスな子はこうして出来上がるというわけですね。

ぐり

見た目は子ども、頭脳は大人、でも情緒は幼稚園児・・・

ギフテッド児は言語理解指標が高いことが多いそうです。
理路整然とした大人顔負けの喋り方で豊富な知識を語る子どもは、まさに多くの人がギフテッドに持つイメージそのものではないでしょうか。

ぐり

逆に長男のように言語理解が高くない場合は、高IQに気付きにくいのかも・・・

発達障害?それともOE?

発達障害の診断、IQ、そしてWISC-Ⅴによる5つの指標。
これらが分かったことによって、長男が抱えている「困難」や「(その時その場面において)不適切な行動をとる理由」など、色々なことがわかってきました。

知的好奇心の強さゆえ

授業中座っていられず教室を抜け出してしまうのは、本当に「授業が簡単すぎる」から。
例えて言うなら「高校生に小学1年生の授業を無理矢理受けさせている」のと同じようなことだそうです。

ぐり

長男の場合は高校生まで学力高くないと思うけど、苦痛であることに変わりはないみたい

知的好奇心の強さゆえに、退屈な授業を受けているよりも(長男にとっての)知的刺激を求め、そして恐らくADHDの衝動性も相まって教室を飛び出してしまうのでは?と思っています。

ぐり

そしてその知識欲が学校の勉強の方向へは向いていないから、残念ながら高い知能も学力にはあんまり反映しなさそう・・・

人の話聞いてる?問題

幼いころから誰かに話しかけられても返事をしない、目線が合っていないことがずっと気になっていました。
人見知りなのか場面緘黙症か、それとも自閉的なものなのかも?と思っていたのですが、主治医によると「頭の中ですっっごい色々なことを考えていてアウトプットまでの時間が長い」だけなのだそうです。

実際に長男に「今日は学校でどんなことがあったの?」と声をかけると少しの間フリーズしたように考え込んでしまいます。
長男から話しかけてきた時も同様で「ねぇ、お母さん」と呼ばれて私が振り返ってからも、しばし沈黙の時間があるのです。

ぐり

ここで「呼んだよね?何よ?」なんて急かしちゃダメ!
彼と会話をするときは「待つ」ことが大事・・・

目線が合わないのも、考えているから。
たった一言の声掛けから、彼の脳はものすごいスピードで膨大な情報を処理しているようです。

ぐり

一旦話し始めるとバッチリ目が合うよ~
新しい知識についてキラッキラな目で語ってくれたりする(めっちゃ喋る)

これはWISCにおける処理速度が高いこと、その割に言語理解が平均的なことが原因かな?と思っています。

OEなのか、発達障害なのか

これらのことは発達障害と類似した特性でもあるため、実際にギフテッドの子どもたちが発達障害と誤診されるケースも多いそうです。

OEはADHD(注意欠如・多動性障害)の特性である衝動性や不注意、ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性であるこだわりやコミュニケーションの困難さ、また感覚過敏なども発達障害とよく似ていて、それらを区別することは専門医でも難しいことなのだとか。
長男のように高IQと発達障害を併せ持っている場合は「この困りごとはOEによるものか、それとも発達障害由来のものか」と区別することはより困難でしょう。

ぐり

逆に発達障害があるのに高いIQに隠れてて、周囲に気付かれないってこともあるみたい

普通が一番生きやすい

高IQ児は意外といる

1年時の担任の先生はベテラン教諭でしたが、診断結果を伝えると、長男のIQについて「ここまで高い子は初めてです」と仰っていました。
受け持った子どもたちの中で、過去最高は120台だったそうです。

でも、IQ130を超えるのは人口の2%ほど。
50人に一人はいると考えると、クラスに1人いてもおかしくない計算になります。

ぐり

東大生の平均IQは120らしい・・・ということは、130超えてる人も結構いそうだよね

高IQの子は意外に身近にいるのです。
ただ、目立った困りごとがなければ周囲の大人も検査をしようとなかなか思わないでしょう。

学校にうまく適応できている高IQの子は、毎日授業がつまらないな~なんて思いながらもそこで我慢しているので気付かれにくい。
一方、発達障害を併せ持つ2Eの子の場合、もしくは2Eでなくとも激しいOEを持つ子など、うまく適応できない子は周囲の大人が発達障害などを疑って検査を受け、そこで初めてIQが高いことに気付く・・・という場合も多いようです。

ぐり

うちの子頭いいかも!?ちょっと病院行って知能検査しても~らお!
とはなかなかならないよね

苦しい思いをしている子どもたち

「自慢していると受け取られるかも知れない。IQのことは周りに黙っておきなさい」とは私の母の言葉。
それに従ったわけではありませんが、実際に長男のことを詳しく知っているのはごく一部の人だけです。

ぐり

「うちの子IQ高いんです」なんてリアルでは言いづらくない?

諸事情により長男の検査結果を知った知人からは「すごい!将来有望!え、自分の子どもがIQ高いってどんな感じ?やったーって感じ?」なんて言われました。
でも、全くそうじゃないんです。

IQの高さ、OEや非同期発達、発達障害など、様々なものが絡み合って長男という人格が形成されているため、ハッキリ言ってその育児はもう「わや」です。
めちゃくちゃです。

核融合と核分裂について知りたがったと思えば、5歳の弟とおもちゃを取り合って叩いたり引っかいたりの大喧嘩を繰り広げたり。
授業では座っていられず抜け出すし、自分の気持ちをうまく処理できずにひどい癇癪を起こしたり。

学校の勉強自体に興味関心が全く向いていないので、苦手な国語の宿題を始めるまでゴネまくり。
ようやく机に向かったと思えばキーキー文句を言いながら、終わるまで1時間以上かかったり。

ぐり

かと思えば得意な算数の宿題は一瞬で終わる・・・

自慢できる要素なんてない、将来が不安すぎて胃が痛くなる。
むしろ毎日生活することすら困りごとだらけで、どうしたらいいかいつも悩んでいたりする。

でも、誰かに言っても自慢していると思われてしまうかも知れない。
そうやって悩んでいる高IQ児の親は多いようです。

この記事も、書くかどうか本当に悩みました。
自慢だと思われるかもしれない、やめておいた方がいいかもしれない。

そう不安を感じつつも、最終的に書いたのは何故か。

ぐり

実際に我が家が困ってるからです

恐らく同じ様に困っている子どもたちや、その保護者の方は沢山いる。
それを知ってほしくて、この記事を公開することに決めました。

彼らにはサポートが必要です

長男は決して天才でもなければエリートでもない。
IQは高いけれど、標準から外れたサポートの必要な子どもです。

世の中、平均的な人間が住みやすいように作られています。
平均より上すぎても下すぎても、はみ出ている人には生きづらいのです。

ぐり

身長が高すぎても低すぎても服がない、みたいなアレに似てる

平均よりも上、つまり高IQの子どもたちへのサポート体制はほとんどないというのが現状です。
「頭いいんだからできるでしょ?」「それぐらいわかるでしょ?」という風に思われがちなのかも知れません。

ぐり

発達障害を持たない高IQの子どもたちにも、サポートが必要な子はたくさんいるんだよ

だからもし、あなたが「うちの子ももしかしたら・・・」と思ったのなら。

検査を受けるべき!とは言いません。
(無責任にそんなこと言えないので)

でも、少し目線を変えてお子さんを見てあげてほしい。
否定せず、その子のことをよく知って、発達障害や高IQの特性を受け入れてあげてほしい。

「もしかしたらこれって特性かも?」と気付けば、かける言葉が変わることだってあると思うのです。
それで救われる子だっているかもしれないのです。

ぐり

そもそも「特性」は多かれ少なかれ、誰にでもあるんだよ

ご自分のお子さんでなくとも、身近にそんな子がいたら。
勝手なお願いですが、見守ってあげてほしい。

彼らには助けが必要です。
だから、例えば他の子とは違う配慮を受けていたとしても、どうか許してあげてほしいのです。

「ふつうになりたい」

長男が一番荒れていた頃。
学校で癇癪を起こして散々暴れ、駆け付けた私に向けて、泣きながら彼が言ったこと。

「お母さんごめんなさい、ちゃんとできなくてごめんなさい」

「ぼく、ふつうになりたい」

いくらIQが高いとはいえ、長男はこの頃まだ小学校1年生。
1年生の子が、自分が他のお友だちとは何か違うと気付いている。

気付いているけれど、わかっているけれど、衝動を止められない。
普通になりたいと6歳の子どもが泣くなんて、どれほど苦しかっただろう。

でも、彼は「普通」ではなく生まれてしまった。
「普通」には産んであげられなかった。

私はきっと、この時の彼の言葉も表情も、涙も全部、忘れることはないと思います。

長男は特別な環境を望んでいるわけではありません。
お友だちと楽しく学校に通って一緒に遊びたい、そんな「普通」の生活を望んでいます。

でも、嫌いなことや苦手なことを脳が全力で拒んでしまう。
それを抑えることができずにいる。

いくらIQが高くても、ただ苦しいなら彼にとっては辛いことでしかないのです。

ぐり

息子が苦しんでるのを見てるのに、それでも特別でいてほしいとは私には思えなかった

特別じゃなくていい、普通でいい。
でも、彼が思い描く「普通」はいくら望んでもきっと手に入らない。

ぐり

本当は特別なんかじゃない
1人の小さな子どもなんだよ

悩みながら、生きていく

現在、長男は2年生。
クラス替えなく進級し、担任は代わりました。

放課後等デイサービスに通い始め、デイのない日は毎日のようにお友だちと遊ぶようになりました。
学校でもデイでもお友だちが増え、集団で遊ぶことにも慣れ、長男の世界は急速に広がっています。

学校や新しい担任の先生の配慮、そして恐らく長男本人の成長もあり、1年生の頃とは比べ物にならないほど楽しい日々を過ごせている長男。
相変わらず授業中は立ち歩いたりクラスメイトとトラブルになったりと課題は多いものの、主治医によると「この短期間でこれだけ落ち着けたのはすごい、かなり上手くいっている」のだそうです。

ぐり

環境が整ったことが大きいと思うの

「もう学校行きたくない」と泣いていた長男が、最近は笑顔で登校するようになりました。
夜中にうなされることもほとんどありません。

でも、長男は、これから先も長男という一人の人間です。
決して特別ではない、ただの人間です。

自分の高いIQ、特性と一生付き合って生きていかねばなりません。

これから彼はきっと、たくさん苦しい思いや辛い体験をするのでしょう。
また学校に行けなくなる日が来るかも知れません。

苦しいことと向き合ったり、受け流したり、時には逃げ出したっていい。

そうやって、悩みながらも生きていく。

ぐり

もう発達障害児でも高IQ児でもなく、「長男という子」を育てている手探り感

普通になれないなら、普通じゃなくても幸せでいられる道を選べるように。
その力を身に着けられるように。

願わくば彼のこれから先の人生が、たくさんの喜びと幸せに満ちていますように。
私たち夫婦は、そのために何ができるかいつも考えています。

次男もいるよ

Twitterで繋がっている方にはお馴染みだと思いますが、我が家には幼稚園年中の次男もいます。
慎重派の長男とは違い、かなり破天荒な5歳児です。

長男のことをネットで検索しまくっていた時、気になる一文を見かけました。
それは「高IQ児のきょうだいもIQ±10前後で生まれてくることが多いというデータがある」というもの。

ぐり

怖い話でしょ?

ちょっと見かけただけのその一文が本当かどうかはわかりません。
そして、今のところ次男からはIQが高そうな気配は感じられません。

ぐり

比較対象が長男しかいないから全然わからんけどね

いつか結果がわかる日が来るのでしょう。
でも、その日が来ても、どんな結果が出ようとも、2人とも大事な息子であることは決して変わりません。

彼らが彼らとして生まれてきた以上、親である私たちは全てを受け入れて生きていくしかありません。
(今のところ不安しかないけど)

ぐり

まぁアインシュタインとかと比べたら大抵みんな凡人よね!(暴論)

なるべく楽しく、できるだけ面白く。
これからも家族一緒に、試行錯誤しながら日々を暮らしていこうと思っています。

ぐり

長いひとりごとにお付き合いいただき、ありがとうございました!

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • どんなに優秀な人でも理解されることがないって本当に辛いことだもの。

    人は一人では生きてはいけないですから。

    この先も一人になってしまうなんて思わずに、たくさんの愛が注がれますように。ぐりさんにも注がれますように。

    店長は祈ってます。

    • 店長~!!(´;ω;`)

      どんなことでもいいから「好き」を見つけて(もちろん見つからなかったとしても)、これから先の人生を楽しく進んでいってほしいなと思ってます。
      もちろん私自身も楽しみます!
      ありがとうございます!

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