紅茶初心者さんがまず迷ってしまうのが「どの紅茶を飲んだらいいかわからない」問題。
紅茶は様々な種類があり、何が美味しいのか、どれを買えばいいのか、迷うことだらけだと思います。
紅茶の選び方第4回目は、世界の主なエリアティーがそれぞれどんな味や香りを持っているのかをご紹介します。
ぜひこの中から興味を持った紅茶を見つけて、実際に飲んでみてください。
それを基準にして、どんな銘柄が好きなのかを探っていこう!
銘柄ごとにぐり店長の独断と偏見によるおすすめポイント付きです!
参考にしてみて下さいね!
気になる紅茶を見付けよう!
ぐりカフェ店長のぐりです!
- 2022年一番ハマったエリアティーはサバラガムワ
- おかげでミルクティー飲みまくった
- 長男(小2)もサバラガムワブームに巻き込まれる
- 大晦日、締めの紅茶もサバラガムワ
- でも2023年のお茶初めはカングラ
そこはサバラガムワじゃないのか・・・
- 紅茶に興味があるけれど、何を飲んだらいいかわからない
- 飲んでみたいと思える紅茶を探したい
- 飲んだことのある紅茶がどんな特徴を持っていたのかを知りたい
- オススメの飲み方を知りたい
次に飲みたい紅茶を探すときにも参考にしてね!
たくさんあるので、気になる銘柄があったら目次から飛んでみてくださいね!
気になる紅茶を飲んでみよう!
いらっしゃいませ!
ぐりカフェへようこそ!
紅茶はエリアティー、ブレンドティー、フレーバーティーの3種類に分類できます。
前回の記事ではエリアティーとはどんな紅茶なのか?というお話でした。
\前回の記事はこちら/
収穫された地域の名が付けられた紅茶、エリアティー。
今回はいよいよ、主なエリアティーの銘柄それぞれの特徴をお伝えしていきます。
紅茶初心者さんに知ってほしいポイントに絞って、それぞれ簡単にまとめてみたよ!
紅茶の風味が銘柄によってどのように違うのか、どんな飲み方が向いているのかを知ると、自分の好みの紅茶を探しやすくなります。
一度飲んでみた紅茶を基準に「もっとコクのある紅茶がいい」「ダージリンが美味しかったから、似てると言われる他の紅茶も飲んでみよう」などと、次へと繋げやすくもなるでしょう。
ミルクティー向きなのはどれだ!?
香りのいい銘柄が知りたいです~
生産国別にまとめてあるよ!
まずは一つ、気になる銘柄を見つけてみて!
インド
紅茶生産量世界一を誇るインド。
世界三大紅茶の一つでもあるダージリンを筆頭に、アッサムやニルギリなどが有名です。
現在は生産量、国内消費量ともに世界一ィィィ!!
輸出量よりも国内での消費量が多く、日本に入ってくるのは生産される紅茶の中でもほんの一部。
日本では特にダージリンやアッサムが人気ですが、まだまだあまり知られていない生産地がいくつもあります。
ダージリン
スリランカのウヴァ、中国のキームンと共に世界三大紅茶の一つとして名を知られる銘柄。
キレの良い渋味、どこか緑茶にも似た深い旨味があります。
「紅茶のシャンパン」とも称され、マスカットに似たフルーティーな香りも特徴。
その繊細な香りを生かすためにもストレートで飲むのがオススメです。
ミルクやレモン、砂糖も加えずに香りを楽しんでみて!
紅茶は収穫される時期によって風味が異なりますが、ダージリンはそれぞれの季節ごとの茶葉を入手しやすい銘柄です。
季節の変化を楽しめる紅茶でもあるんですね。
水色(すいしょく)とは、紅茶液の色のこと
人気の銘柄なので、茶園別の茶葉も複数販売されている中から選ぶことができ、品質・価格・茶園・シーズンと選択肢が多いのも魅力。
お気に入りのダージリンを探すのも楽しいかもしれませんね!
人気の銘柄だから入手しやすい!
気分や好みによってシーズンごとに飲み分けることもできちゃう!
春がくるとファーストの爽やかさ、夏にはダージリンのキレ、秋はオータムナルのコクが恋しくなるぅぅ
アッサム
アッサムが作られるのは、インド東部に位置するアッサム州。
さつまいもや栗に例えられる甘い香り、深いコクと渋味があり、ストレートで飲むとそのどっしりとした深い味わいを楽しむことができます。
そして何よりアッサムはミルクととても愛称の良い紅茶です。
鍋で煮出して作るチャイに使用しても、そのどっしりと重厚なパンチの強さは決してミルクやスパイスに負けません。
深みのある水色はミルクを加えるとまさにミルクティーカラー!
一方でアッサムはストレートのアイスティーがちょっと不向きとも言えます。
それはタンニンの含有量が多く、アイスティーにしたときに白く濁りやすいからです。
タンニンとは、紅茶に含まれるポリフェノールの一種で、渋味を感じる成分。冷やすとカフェインと結合し、白く濁って見える。
でも大丈夫!
ミルクを加えてアイスミルクティーにしちゃえば濁りも気にならないよ!
ミルクティーが好きなら一度はアッサムを試してほしい!
強いボディがキレのある美味しいミルクティーになるよ!
しっかりとしたコクと渋味、アッサムなら間違いない
ニルギリ
現地の言葉で「青い山脈」を意味するニルギリは「紅茶のブルーマウンテン」とも称されます。
スリランカに近い位置にあるため、味もスリランカ産の紅茶に似ています。
甘い香りと穏やかな渋味、爽やかでクセのない味。
優しい余韻の甘味を持つ飲みやすい紅茶で、ストレートはもちろんフルーツを加えたアレンジなどにも向いています。
これぞ紅茶!っていうイメージに近いと思うの
そして私が個人的にイチオシなのはアイスティー!
スッキリとした喉ごしと柑橘類のような爽やかな甘味が、暑い時期にピッタリです。
透明感のある明るいオレンジ色の水色(すいしょく)で、キレイなアイスティーになるよ~
ストレートのアイスティーはもちろん、カットしたフルーツを加えて作るフルーツアイスティーは見た目も味も華やか。
使用するフルーツによってアレンジも自在で、手軽に季節の味わいを楽しむことができます。
飽きのこない「紅茶らしい紅茶」!
アイスティーはスッキリ爽やか、ゴクゴク飲めちゃう美味しさ!
毎年夏には欠かせない紅茶!
もちろんホットも美味しいよ!
カングラ
インドの北、ネパールを挟んでダージリンの反対側に位置するカングラ産地で作られる紅茶です。
ダージリンとは気候も近く、生産される紅茶の香味も似ています。
実はカングラで生産されているお茶のほとんどは緑茶なんだよ~
カングラでの紅茶の生産は春先のクオリティーシーズンのみで、ごく少量しかありません。
希少価値が高いこともあり日本での知名度は未だ低く、そのため比較的安価に入手することができますが、上質なダージリンにも引けを取らないほど高品質な銘柄です。
クオリティーシーズンとは、品質のよいお茶が作られる旬の季節のこと。期間が限られているので、価格も高くなることが多い。
ダージリンに似てフローラルで華やかな香りを持ち、穀物のような香ばしい甘味とスッキリとした清涼感を持ち合わせた味。
その繊細な風味を生かすために、ダージリンと同じくストレートがオススメです。
ダージリンのファーストフラッシュや緑茶が好きな人はカングラの美味しさを試してみてほしい!
アイスティーにしても爽やか・・・
ドアーズ
インド北東部、ヒマラヤ山脈の麓に広がるドアーズ地方で作られます。
ダージリン地方とアッサム地方の間に位置し、生産される紅茶もダージリンとアッサムの中間のような風味を持っています。
ダージリンより香りは弱く、アッサムよりもコクは控えめ。
フルーツやハーブを加えて飲んでも主張が強すぎないので、ブレンドティーやフレーバーティーのベースにも多く使用されています。
あまり個性的ではないとも言われがちなドアーズですが、まろやかな甘味と適度なコク、後を引かないさっぱりとした渋味など、マイルドで飲みやすくとても美味しい紅茶です。
インド国内でブレンドやティーバッグに使われて、ドアーズ単体で日本へ入ってくる量は少ないんだけどね・・・
ストレートはもちろん、濃いめに淹れてミルクティーにしたり、クセのない飲み口と適度なコクを生かしアレンジティーにも。
「ローズオータムナル」と呼ばれるセカンドフラッシュは、バラに似た華やかな香りを楽しむためにもぜひ一度ストレートでも飲んでいただきたい一品です。
ドアーズの旬はダージリンとは違って一年に二回!
二回目の旬は秋だからセカンドフラッシュが「オータムナル」なんだよ~
なんでもいける万能選手!
ぜひミルクティーも試してほしい!
飲みやすくて甘味があって、もっともっと飲みたくなる~
シッキム
ダージリンの北、すぐお隣のシッキム州テミ地方で生産される紅茶。
シッキムに存在する茶園は「テミ茶園」のみで、その生産量の少なさから「幻の紅茶」と呼ばれる希少価値の高い銘柄です。
インド国内で唯一、政府によって運営される農園!
しっかりした品質管理で上質な紅茶が作られてるよ!
シッキムはダージリンと似た気候、チャノキもダージリンから移植したもの。
そこから作り出される紅茶もやはりダージリンとよく似た味や香りを持ちます。
ダージリンほど渋味は強くなく、繊細でフルーティーな香りはとても爽やか。
マイルドなコクがあり、渋味がスッと消えた後には華やかで柔らかい甘味が余韻を残します。
特に上質とされるセカンドフラッシュはダージリンのようなマスカテルフレーバー!
その軽やかな飲み口は、ストレートで飲むのがおすすめ。
幻の名に相応しい逸品!
渋味の強いお茶が苦手な人も飲んでみて!
穏やかな渋味がすぅっと消えて、残るのはほのかな甘味と花の香り・・・
スリランカ
「セイロンティー」という名前の紅茶を聞いたことはありませんか?
スリランカで作られた紅茶の総称のことで、セイロンティーの中にはウヴァやディンブラなどスリランカ産の銘柄が含まれます。
「セイロン」っていうのは旧国名!
1972年に「スリランカ」に改称したよ!
「日本茶」や「中国茶」のように、スリランカで作られているお茶をまとめて「セイロンティー」と呼ぶってことですね
「セイロン」という銘柄の紅茶も販売されていますが、これはスリランカ産茶葉を使用したブレンド紅茶です。
エリアティーの一つに「セイロン」という銘柄がある、というのとは少し違うんですね。
スリランカでは以前、主な5つの産地を「ファイブカインズティー」と呼んでいました。
しかし現在では「サバラガムワ」「ウダプッセラワ」を加えて「セブンカインズティー」と呼ばれるようになっています。
ウヴァ(ウバ)
世界三大紅茶の一つに数えられるウヴァは、スリランカ南東部の高地で作られます。
様々な個性をもつ紅茶の中でも独特の味わいがあり、決して飲みやすいとは言えない紅茶です。
ウヴァが苦手って人も多いみたい・・・
その大きな理由は、メントール系の爽やかな香りとキレのある強い渋味。
サロメチール香とも言われるその香りは、クオリティーシーズンのウヴァだけが持つ特別なものです。
サロメチール香、つまり肩こりや腰痛の時に貼る湿布薬みたいなツンとする香りだね
シップ!?
本当に美味しいんですか!?
ハマる人はハマるんだな、これが
強いメントールの香りと強い渋味から敬遠されることもあるウヴァですが、その奥にはバラやスズランに似た甘い香りも含みます。
フルーティーさと爽快感をあわせ持った香りは「ウヴァフレーバー」と呼ばれ、欧州で人気があります。
ウヴァフレーバーは一年にわずか数週間しかないクオリティーシーズンに収穫された茶葉のみが持つもの。
それ以外の季節に収穫された茶葉にウヴァフレーバーはなく、水色が濃くなります。
クオリティーシーズンのものは水色も美しく、特に上質のものはカップに注いだときに縁が金色に輝いて見えるという特徴も。
この輪は「ゴールデンリング」または「コロナリング」と呼ばれています。
水色の美しさと独特の爽やかさを生かしてストレートで。
コクもしっかりあるのでミルクとの相性も良く、個性的なミルクティーが味わえます。
強烈にも思えるウヴァフレーバーは唯一無二!
好き嫌いが別れるけど、ハマる人はとことんハマる!
飲んでいるうちに、あなたも虜になるかも・・・
ディンブラ
スリランカ中央山脈の西側、ウヴァとは山脈を挟んで反対側にあるディンブラ地区で作られる紅茶です。
「セイロン紅茶の女王」と呼ばれる、スリランカを代表する銘柄です。
華やかさの中にどこかウッディーな落ち着いた香りで、爽快感のあるしっかりとした渋味と心地よい甘味。
全体的にバランスがよく、マイルドで飲みやすいため使い勝手の良い銘柄です。
特に冬のクオリティーシーズンに収穫されたディンブラは、バラのような優雅な香り!
さすが女王様だな!
ディンブラは後述の「キャンディ」と同じく、日本人が好む紅茶の味とも言われます。
ブレンドティーやティーバッグなどにもよく使われているため、知らず知らずのうちに飲む機会も多いはず。
ストレートはもちろん、ミルクティーにしてもクセがなく飲みやすいでしょう。
フルーツなどを加えたアレンジにも向き、レモンティーやアイスティーにも。
「飲みやすい」だけに留まらない奥行きのある美味しさ!
アレンジやアイスティーにもしっかり渋味がほしい時はディンブラにお任せ!
キリッと爽快!
なのに飲みやすい!
ヌワラエリヤ
ウヴァとディンブラに挟まれた高地で栽培されるヌワラエリヤ。
リゾート地としても名高いこの産地では、高地ならではの朝夕の寒暖差や霧、強い日差しに加え、冬には乾いたモンスーンが吹きチャノキに個性を与えます。
茶園の数はそれほど多くないから生産量も少なめ・・・
希少性の高い銘柄だよ~
製造過程での発酵にかける時間が他の銘柄に比べてかなり短く、茶葉の色も緑がかっています。
水色も緑色を帯びた淡いオレンジ色や金色で、この色合いや華やかで繊細な香味から「セイロンティーのシャンパン」とも。
緑茶にも似た爽やかな渋味、フラワリーでフルーティーな甘さと共に青々しいフレッシュさも感じられ、ウヴァと共に高級品として扱われることの多い銘柄です。
爽快な渋味と繊細な香りはストレートで。
濃いめに淹れてミルクを加えても、花香る優雅なミルクティーを楽しめますよ!
緑茶に似て日本人にも好まれやすい味!
繊細な水色と香りなのに意外なほどコク深い!
甘い香りと爽やかな渋味は和菓子とも好相性!
ルフナ
スリランカの中央山脈の南側、標高の低い地域で作られます。
かつて存在したルフナ王国からその名が付けられていますが、ルフナという地名は現在使われていません。
古い都市の名前なんですね!
深みのある水色、強いボディと深いコクの中に燻煙のような香りを有し、渋味は少なめ。
独特のスモーキーな香味がありますが、後味はスッキリしていて不思議と飲みやすい銘柄です。
中国産の紅茶・キームンもスモーキーだけど、ルフナはもっとワイルドでモルト(麦)っぽい、カラメルっぽい感じ
スリランカ産の紅茶の中でもトップクラスのボディの強さがあり、ミルクととても合います。
ストレート、またはミルクティーがオススメです。
ルフナは中央山脈の南側、そして標高も低いため暖かく、葉も大きく育ちます。
生産性が高く、比較的リーズナブルなのも嬉しいポイント。
モルティーなスモーキーさがクセになる!
カラメルっぽさも感じるコクのある甘味、まるでウイスキーのような奥深い味わい!
ダークチョコレートが合う~
キャンディ
セイロンティー発祥の地として名の知られたキャンディ地方が生産地。
この地域には昔キャンディ王国という国があり、その首都・キャンディの名が地名として現在も残っています。
ルフナと同じく古都の名前ですけど、こちらは現役で地名として使われているんですね!
飴ちゃんじゃないのか・・・
まだキャンディを飲んだことがなかった中学生の頃は「飴フレーバーの紅茶?」って思ってました
渋味は穏やかでクセもなく、まろやかで優しい味わいです。
香りも控えめであまり個性を感じられないと思われがちですが、その分紅茶の渋味や苦味が苦手な方にも飲みやすく、紅茶初心者さんにもおすすめ。
また、キャンディ地方は一年を通して気候が穏やかで、一年中ほぼ同じ品質の葉が収穫されます。
そのためクオリティーシーズンが存在せず、品質が安定しています。
優しい風味を生かしてストレートがおすすめ。
アイスティーにしても飲みやすく、濁りづらいのできれいなオレンジ色が楽しめます。
飲みやすく、品質も安定しているから初心者さんも試しやすい!
刺激が少ない分万人受けするよ!
来客時や子どもたちにも飲んでもらいやすい!
サバラガムワ
もともとルフナだった生産地を近年2つに分割し、北部が独立したのがサバラガムワです。
新しい産地なのでまだ認知度は低い銘柄ですが、ここ数年で国内の取り扱いも増えてきました。
産地を分割したとはいっても、ルフナとの明確な境界線はないというのが実情。
紅茶の味もよく似ています。
「正直違いがよくわからん」という意見も・・・
あくまで私見ですが、ルフナと比較してスモーキーさは控えめ、より濃厚な甘味があるという印象です。
黒糖やカラメルのようなこっくりとした甘味と深いコクを感じることができます。
ボディが強い割に渋味はあまり感じられず、スモーキーさも少ないので、ストレートではルフナより飲みやすいかもしれません。
またミルクとの相性もとても良く、濃厚で甘味のあるミルクティーが楽しめます。
2022年はサバラガムワのミルクティーにどハマりして、飲みまくってました
深いコクと甘味がとにかくミルクに合う!
ストレートでも味わい深い、もうとにかく一回飲んで!
その濃厚な甘さはまるで黒糖・・・
ウダプッセラワ(ウダプセラワ)
かつてはウヴァだった一部のエリアが独立した小さな産地がウダプッセラワです。
ウヴァとヌワラエリヤの中間に位置し、茶葉は場所によりウヴァ寄りの場所にある茶園ではウヴァの品質に近いもの、ヌワラエリヤ寄りの茶園ではヌワラエリヤの品質に近いものがそれぞれ生産されています。
茶園別の茶葉を飲み比べても楽しいかも!
まだまだ知名度が低く、日本国内で入手できるお店も少ないウダプッセラワ。
希少価値が高いので、もし出会えたらぜひお試しいただきたい銘柄のひとつ!
サバラガムワと同じく、これからどんどん有名になっていくと思うよ~
花のような繊細な香りや清涼感のある後味を生かしてストレート。
絞まりのある渋味と、強めのボディを持ちミルクティーもおすすめです。
メントールの爽やかさやバラのような香りを持つものも!
新しい産地で入手しにくいけど、茶園ごとの味わいも楽しみ!
ウヴァより少し落ち着いたイメージの香りで飲みやすい~
中国
お茶発祥の地、中国。
もともと雲南省に自生していたチャノキがお茶の始まりとされ、長い歴史の中で多種多様なお茶が生まれました。
紅茶を輸入したいイギリスの思惑がアヘン戦争の引き金になったりと、お茶は中国の歴史にも大きく関わっているよ~
お茶全体の生産量は世界一ですが、その多くは緑茶です。
全体からみて紅茶の生産量はそれほど多くはありませんが、近年はその人気も需要も高まってきているようです。
中国で作られる紅茶は全体的に渋味が少なく、柔らかく奥深い味、そしてエキゾチックな香りをあわせ持つ傾向にあります。
緑茶を多く飲む日本人にも馴染みのある味を持つ紅茶も多く、独特の香りに慣れてしまえばやみつきなるかも知れません。
「ラプサンスーチョン」は今後フレーバーティーの記事で紹介するよ!
キームン(キーマン、キーモン、祁門)
キームン(またはキーマン、キーモン)は漢字で「祁門」と書きます。
中国安徽(あんき)省祁門県で作られる、世界三大紅茶の一つです。
キームンは世界的に人気のある銘柄で、紅茶大国イギリスでもファンが大勢います。
「紅茶のブルゴーニュ酒」とも呼ばれ、そのオリエンタルかつ高貴な香りで古くからヨーロッパ貴族を魅了し続けてきました。
エリザベス女王も愛したイギリス王室御用達の紅茶!
女王は誕生日に最上級のキームンを飲んでいたとか・・・
渋味は少なくまろやかな甘味とコクがあり、スモーキーな香りは通好みとも言えるでしょう。
しかしそれは多く出回っている低~中程度の品質のキームンの香りで、最上級のキームンはスモーキーさは少なく、蘭やバラに例えられる芳しい香りと蜜のような甘味を持ちます。
そのエキゾチックな香りは「キームン香」と呼ばれ、生産量の少ないキームンの中でもさらにごく一部の上質なものだけに限られる特徴。
最上級品は市場にはほとんど出回らず、高額で取引されています。
上質なキームンはその高貴な香りと甘味を楽しむためストレートで。
品質の低いものはミルクを加えるとスモーキーさが和らぎ、個性のあるミルクティーを楽しめます。
余談だけど、フレーバーティーであるアールグレイはベースになる茶葉にキームンを使ってることがあるよ
アールグレイの中でもクラシックなものはその傾向が多くあります。
アールグレイのスモーキーさが苦手・・・という場合はキームン以外の茶葉を使用しているアールグレイを探すと、お好きなものに出会えるかも知れません。
パッケージのラベルに「原産国・中国」って書いてある場合はキームンを使ってると思ってもらえれば
ベースに使われる紅茶の味を知っていれば、自分好みのアールグレイも探しやすくなるってことだな!
スモーキーな低価格帯、お高いけど香り高い上級品・・・
どちらも個性的で世界中にファンがたくさん!
アイスティーにもおすすめ!
そのオリエンタルな魅力にハマると抜け出せないかも・・・
ウンナン(雲南)
中国南西部、雲南(うんなん)省で生産されている紅茶。
雲南省では1700年以上昔からお茶の栽培が行われ、プーアール茶の一大産地としても有名な地域です。
紅茶が生産されるようになったのは20世紀後半!
まだ歴史の浅い銘柄なんだよ~
スパイシーな香りと蜂蜜のような強い甘味。
アッサムに似た香味を持ちますが、渋味は少なくしっかりしたボディ、強いコクがあります。
クオリティーシーズンは3~4月の春摘みで、ゴールデンチップ(茶葉の目の部分)を多く含むことから「金色に輝く紅茶」と呼ばれます。
ゴールデンチップにはアミノ酸(旨味成分)が多く含まれ、滑らかな旨味を感じられるでしょう。
花の蜜のような甘味とスパイシーな香りを楽しむにはストレートで。
強いコクとボディがあるのでミルクとの相性も抜群です。
甘味とスパイシーさは他の紅茶にはない独特の魅力!
歴史は浅くとも、さすがは中国紅茶を代表する銘柄の一つ!
その他
現在紅茶の栽培・生産国は、世界では30ヵ国以上。
インドやスリランカには日本でもよく名前の上がる産地がありますが、意外にも思える国でも紅茶が作られています。
日本国内ではまだあまり知られてはいないものの、クオリティの高い茶葉を作り出す産地はたくさん!
その中からいくつかの銘柄をご紹介します。
ケニア
アフリカで紅茶が作られているというと意外な気もしますが、実はケニアの紅茶生産量は世界2位、茶葉輸出量は世界1位!
輸出先は主に欧州で、イギリスで今飲まれている紅茶の半分以上がアフリカ産だと言われているほど。
ケニアの茶葉はほとんどがCTC製法!
ティーバッグに加工しやすいのも人気の理由なんだ
優しいコクとマイルドな渋味のあるケニアはミルクと相性抜群。
ミルクティーを日常的に楽しむイギリスの人たちに好まれるのも頷けます。
ほんのり甘味を感じる香りがあり、クセがなく飲みやすいので万人受けする上、ストレートやミルクティー、ハーブやフルーツにも合う便利な紅茶でもあります。
赤道直下のケニアでは気候も安定していて、強い日差しのもとチャノキも旺盛に育ちます。
年間を通じて高品質の茶葉を大量に生産できることからコストパフォーマンスにも優れ、家庭で安価に美味しい紅茶を楽しむための強い味方とも言えるでしょう。
味よし、使い勝手よし、コスパよしのいいことづくめ!
きっとどこかで飲んでいる、お馴染みの味・・・
優しいミルクティーはごくごく飲めちゃう!
ジャワ
1989年に発売が開始された赤いラベルのペットボトル紅茶飲料で一躍有名になりました。
「食事に合う!」と日本でブームにもなった無糖紅茶は、インドネシアのジャワ島で生産される茶葉から作られています。
今でも見かけたら絶対買っちゃう!
スリランカに地形や気候が似ていることから、セイロンティーに近い風味を持ちます。
味も香りもサッパリしていて、紅茶に慣れていない人でも飲みやすい味わい。
クセも渋味も少なく、キレのある喉ごしとマイルドな甘味が余韻を残します。
適度なコクとフレッシュな香りでアイスティーにしてもスッキリと、またミルクやフルーツともよく合います。
ブレンド用に使われることも多い一方で、単体でも魅力的。
合わせるものを選ばないので食事のお供やティータイムと、非常に使い勝手のよい銘柄です。
いつでもどこでも何にでも!
脂っこい料理でもジャワがお口をサッパリさせてくれる!
赤みの濃い水色も美しい・・・
ダンクタ
ネパール・ダンクタ地方で生産される紅茶です。
古くからヨーロッパで人気のあるネパール産の紅茶ではありますが、その高いクオリティーの割に日本国内での知名度は低いというのが現状です。
ダンクタのすぐ東には同じくネパール紅茶産地であるイラム地方が隣接し、さらに東にはインドのダージリンが続きます。
ダージリンとは気候が近く、製造者間での交流も多いことからダンクタ、イラム共に高い水準の製造技術で茶葉が生産されています。
ダージリンに似た繊細でフルーティーな香りがあり、渋味や雑味は少なめです。
マイルドで透明感のある味わいは飲みやすく、それでいて花の蜜とシナモンのようなスパイシーさをあわせ持ったまろやかな甘味は他の国の紅茶にはない独特の個性。
淹れたてよりも少し冷めてくるとより引き立つ甘味とエキゾチックな香りは、ストレートで楽しみたいところ。
知名度の低さからクオリティーが高い割には比較的安価に購入することができるので、ぜひお試しいただきたい銘柄の一つです。
クオリティー高いのにお値段は(ちょっと)安心価格!
飲んでみる価値は大いにアリな逸品!
シナモンのようなスパイシーさとフラワリーな甘味!
奇跡の共演に感動・・・
気になったお茶を飲んでみよう!
「紅茶を飲んでもよく味の違いがわからない」という経験はありませんか?
それはもしかしたら、味や香りの違いを具体的に形にできていないからかもしれません。
ただ漠然と飲んでいても、銘柄それぞれの違いがわからなくなりがち。
でも、特徴を具体的に言語化できると一気に理解が深まることもあります。
違いがわかると気分で飲む紅茶を変えられたり、楽しみかたが増えるよ!
紅茶は希少性や価格が高ければ高いほど美味しいかというと、一概にそうとは言えません。
そして「どの銘柄が美味しいか」という問いには、個人の好みという他はありません。
もし今回ご紹介した中に気になる銘柄が見つけられたなら、ぜひその紅茶を飲んでみてください。
新たな発見や、あなたの「最高の一杯」への手がかりが見つかるかもしれません。
美味しい紅茶と出会えることを願ってるよ!
紅茶の選び方シリーズ、次回はエリアティーの中でもさらに一歩進んだ「茶園別紅茶」について解説します。
その年、その茶園だけで作られた紅茶との出会いはまさに一期一会。
より深く紅茶を楽しむための方法をお伝えしようと思います。
あなたも紅茶の沼に片足突っ込んでみよう
より深くってそういう意味ですか・・・?
沼!?
そこにいけば美味しい紅茶が飲めるのか!?
またのご来店お待ちしてまーす!
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